プライド
ある施設見学に行ったことを話題にしたときのこと。
学校を卒業したら、みんなはどういう職業についているのかとルカに聞かれました。
「そうだなあ、いろいろだと思うけど今は○×の仕事とか多いんだって」と私が言うと、
「え〜、そんなショボイ仕事?」とルカが言うではありませんか!
私自身、ショボイ仕事とかショボくない仕事とかルカに教えた覚えがなかったので、そんなことをどこからおぼえたんだろう・・と少々あわてました。
「ルカ、仕事にショボイ仕事なんてないと思うよ。○×の仕事だって世の中にはなくてはならない大切な仕事だと思うよ」と言うと、
「へー、そうなんだ。中学の時に交流級のみんなは、それは下っ端がやることだって言ってたけど・・・」とルカ。
うーむ、なかなか難しい。家庭で差別的な職業観をもたせないように気をつけても、ルカはいろんなところから影響を受けているようです。
施設見学に行って良く言われることですが、高等養護学校の卒業生は使いにくいとのこと。
自分は試験に合格して学校に入ったというプライドからか
「こんなつまらない仕事はやらない」とか「給料が少ない」とか文句をいう子が多いとのことです。
入学したときは一般就労を目指していても、そのときの状況によってひとまずは施設で・・ということもありうるわけですが、本人の気持ちがその状況についていけなくなるようなのです。
私はその話を聞いたとき、正直な話、ルカはそんな生意気な事はいわないな・・・と安心していたのでありました。
ところがこの頃のルカの言動はまさに「高等養護に合格して入った」というプライドに充ち満ちています。
例えばちょっと変わった行動をする同級生の子のことを「ねえ、あの子も俺と一緒に試験受けて合格したんだよね・・・おかしいなー」と言った具合です。
試験があったといってもいろいろな子がいて、ルカだってきっと他人からみれば、欠点がいっぱいあるはずなのに、他人の欠点はどうも見えやすいようで・・・
子供は大人の鏡とはよく言ったもので、大人の言動が子供の価値観に大きく影響を与えているんだなー、これからますます気をつけなければ・・・と思いました。
実際に仕事に就く段階になって、このプライドが邪魔にならなければいいなあーと少し心配です。
さて、話はがらりとかわりまして、この夏話題だった「たまちゃん」。
ルカは鉄道だけに興味があるわけでもなく、ワイドショーネタも結構好きです。
地理にも詳しい彼は、「〜〜川にたまちゃん出没」のニュースに「あーあそこの・・・」とすぐ場所がわかるようです。
実際に見に行くほどではないようですが、ずーっと使ってない百科事典を引っ張り出して、アザラシの種類を調べたりしてました。
そんな彼の疑問は、何故アザラシだと「かわいい」のか。
サメだったり、はたまたトドだったらみんなかわいいっていうのかなーとルカ。
そうそう実は私もそう思うんだなー。ルカと久々に気が合ってしまいました!
「たまちゃんがいる川って、釣りしている人多いよね。川で釣りしてたらたまちゃんがつれたりして・・・ガハハハ」とルカ。
・・・そんなわけはありません・・・