・近況報告 その107


CM

ルカはちいさい頃から、外からの刺激に対しての反応が過剰でした。まあ、言って見れば派手なリアクションをし過ぎということでしょうか?
暇な夏休み・・・話し相手も私だけとあって、 このところルカとテレビを見ていると、テレビを見ながらいちいち私に話しかけます。
特にCMとなると、あの短いCM一つ一つに「ねえ、こんなことあるわけないよね」「こんなアホなこと普通しないよね」「あーっこれっ、面白いんだよ」とか、画面が変わる毎に反応してしまうのです。
そして必ず「お母さんはどう思う?」と感想を求めてきます。
確かにCMは面白くて、はじめて見るものは私も笑ったりしますが、ルカの場合同じCMを何回見てもおなじように笑って、同じように私に感想を求めて・・・その繰り返しが好きな様子です。
「見ると反応せずにはいられない」というところでしょうか?
それと、ニュースにも敏感です。テレビを見ていなくても、ニュースで「事件」という言葉がでると、「えっ?何々? どうしたの?」と矢継ぎ早に質問するので、肝心のニュース解説が聞こえなくなり、わからなくなってしまうことが多いのです。
これは「聞くと反応せずにはいられない」ということでしょうか。
どちらも外からの刺激をうまくコントロールできないという、脳の情報処理能力の障害からきているのかなーなんて思うのですが、普段の生活の中でいちいちそんなこと気にしていられるはずもなく、ついつい「なんでこんなにおしゃべりなんだろ?」とうんざりしてしまいます。
もっとおしゃべりが苦手な自閉症の人であれば、画面を見ながら手をたたくとか、同じ言葉を繰りかえしたりという反応が見られて、その子供なりの反応をしているんだなーと、周囲も納得できるのかもしれませんが、ルカのように流ちょうにべらべら喋られると、それが障害から来るものだとは気づきにくく、周囲との微妙なずれに周りがとてもイライラしたりするのではないでしょうか?

先日も私の隣でテレビに映っている内容全てに反応するような感じで、おしゃべりがとまらないので「黙って見て」と言ったのですが、1分もしないうちにしゃべり出すので「もう、ルカといるとテレビが見れなくて迷惑なのよ〜」ときつく言ってしまいました。
するとルカは黙って部屋へ言ってしまいました。
その日は、ルカが楽しみにしているドラマの放送の日でした。時間になっても部屋から出てこないので、私も言い過ぎたかなーと反省し、部屋へ呼びに行きました。
「俺なんていない方がいいんだよね」とルカ。
「そんなことないよ。一緒にテレビ見ようよ。あのドラマはルカと一緒に見た方が楽しいな」と私。
ルカもそれで気を取り直し、一緒に見ることができました。
「黙ってて」と言われても、ルカ自身もどうしたらいいかわからないし、ルカの立場からすると、他の人はなんで黙ってられるのかわからないんだろうなーと思います。ただ、自分がいると迷惑になるらしい・・・そういうことだけがわかってしまう・・・ちょっと哀しいですね。
ルカと一緒にいるとユニークな発言が多くて楽しいというのも私の本音です。何よりもテレビを見ながら、共通の話題で盛りあがれる親子の時間というのも大切にしたいと思っています。
でも、余りにもそれが長いと疲れます。
お互いに疲れない、適当な距離というものを今後考えて行きたいなーと思いました。

ちなみにルカのお気に入りのCMは、スポーツ飲料水のダ○ラ。特に小便小僧編が好きです。やはり視覚的にインパクトがあるのがお好みのようです。
この頃はシリーズモノのCMが多いですね。実は私も続編が楽しみだったりしています。

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