冷蔵庫
我が家の冷蔵庫。購入してから10年余りになり音がうるさい、というわけで、先日とうとう新しい冷蔵庫を買いましたっ!
「うれしい〜、今の冷蔵庫ってドアポケットに大きなペットボトルもはいるんだー。そして、何より自動製氷付き。やったー、これが発売されたとき、どんな仕組みになってるのか、やってみたいなーって思ってたのよねー」と、一応主婦である私は大喜び。
早速、氷を作ってみました。
それを見ていたルカ・・・
「氷が自動にできるの? 便利だなー、ん? 便利なもの? だめだよー、そんなに便利なものに頼っちゃ勉強にならないよ」と言い始めました。
でたよ、でたよ、ルカの格言、「便利なものは世の中をダメにする」
そう思いながらも、まっいつかは慣れるだろうと、ルカの言葉は軽く流しておきました。
氷がかってにできることには、ルカも興味津々の様子で、時々冷凍庫を覗いていたルカ。
「わーっ、いっぱいできてる! 移さなくちゃ」と氷をわしづかみ・・・
「いいのよ、そのままで」と私が言うと、「あっそうか!」と言って手でさわった氷をそのまま新しい氷の中へ戻してしまいました」
「手じゃなくて」との私の言葉に「あー、ごめん」
しばらくして「あーっこんなのがついていたんだ、これですくえばよかったんだ」とルカ。
どうやら、備え付けの氷をすくうスコップに彼は気づいてなかった模様。
「これがあるのを知っていれば、さっきお母さんに怒られることはなかったのに・・・ だいたいさあー、自動に氷ができるなんてよくないよ。前のやつは自分で水を容器に入れて作れたのに。あれ、結構平らに入れるのにコツがあって、学校の作業の勉強になるって思ってたんだよ。全く、世の中便利になりすぎるのはよくないなー」とルカ。
「ダメだこりゃ」と思った私は、結局ルカだけは、前からあった製氷器を使って自分で作った氷を使ってもらうことにしました。
これで、一件落着・・・
それでもいまだに、「お母さん、まだあんな、便利なものに頼って氷作っているんだ」といちゃもんをつけるルカでありました。
試しに「冷蔵庫自体、便利なものなんだから、いっそのことルカは、冷蔵庫使うのもやめれば?」と言って見たのですが、
「それは・・・」と言葉に詰まり、自分の部屋にさっさと引き上げてしまいました。
これって、表面的には「便利なもの」を嫌っているようですが、実は、ルカは使い慣れたものが急に変わってしまって、不安を感じたのかもしれません。
今は少しずつよくなっているのですが、洋服でも新しいものを買うというと、ルカは抵抗しました。
使い慣れているものへの愛着、新しいものへのとまどいというのは、誰にでもあることでしょうが、ルカはそれがちょっと強過ぎるようです。
自閉症の人は、変化に対してなかなか適応できないと言われていますが、その片鱗をみたような気がしました。
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