母親は、やはり誰よりも最初に我が子についての異常に気がつくと思うし、専門機関で障害についての情報を得たりして、障害に対しての知識をもつことが出来るのですが、それを周囲の人にどのように伝えればよいかということは、とても難しいです。
私も、実はルカが障害をもって生まれたらしいと、初めて(正式にではないのですが)言われたとき、ちょうど主人が同席していなくて、自分がショックだったことも確かですが、どのように主人に伝えれば良いのか、主人はこの話を聞いたら、どんな風になっちゃうんだろうと、そっちの方が心配だったりしました。
幸い、私が思ったほど主人も動揺することなく、受け止めてくれたようでした。
しかし、子供の障害がわかっても、将来的に自分の子供が特殊学級に入ると言うことに対しては、かなり抵抗があったようです。
子供にあっているとか、そういうことではなく、最終的には、子育てをメインにしている私の意見を尊重してくれた形でした。
自分で、リハセンターの先生に聞いたりもして、納得していたようです。
それでは、祖父母はどうだったかというと、多分反対したかったんでしょうね。
私の父・母は、かなり離れたところで暮らしているので、あまり問題はなかったのですが、主人の父・母が近くに住んでいますので、なにかと孫の面倒を見てくれました。
ルカの場合、就学前は言葉の遅れなど、周囲にもわかるような遅れがあったのですが、それでも、孫のこととなると、盲目になってしまうようで・・・・
遊びに来たときなどは、かなりルカを甘やかしてしまい、私が叱ると、
叱られている孫を見るのはつらいと、涙ぐまれてしまったこともありました。
ヤレヤレ・・・・・・
それでも、別居していたので、なんとかやれてこれたのですが、はっきり言って、同居は無理だったと思っています。
特殊学級を選んだときも、とくに詳しい話は祖父母にはせず、「自閉症」という、障害名をつたえるだけで、後は「専門家が特殊学級の方がいいと言っているから、素直に従いたい」というようなことを、主人がいったような気がします。
私は、ポーカーフェイスが得意なこともあって? 都合の悪い話になると、曖昧に笑って、席を外していたような・・・・? 無責任ですよね〜。でも、こりゃ〜説明してもわからん人たちだなと思ったら、そういう手段もありかも・・・・・・。
祖父母の事ではなくても、ルカが小さかった当時は、ルカが通っているリハセンターも出来たばっかりで、知名度は今ひとつ・・・・
近所のお母様方からも、「何で、そんなとこ通うの?」「へんな宗教じゃないの」とまで、言われました。
リハセンターは、ちゃんとした公共の機関なのに、そういう周囲の言葉を気にして、専門機関に通うことを拒む方々も存在する事は、悲しい事実です。
私も、ご近所のお子様と違う道をいってることに関して、孤独感はありました。
それでも、妹が生まれて、子供を通じて近所づきあいをするようになったのですが、なんか思っていたより、みかけだけのつきあいで、みーんな孤独なんだなあと、思ってしまいました。
結局、同じ幼稚園に入ったとしても、大学までいっしょなわけないんだし、ちょっと早い時期から、我が道をいっただけの話なのだと思うのです。
それでも、周囲の偏見というものは、根強いものがあった気がします。
例えば、集団登校。
ルカが集団登校に加わることには、同じ班になる子の保護者達から、かなりの反対意見があったようで、結局私が小学校入学から2年間、集団登校に一緒に付き添っていきました。
私は、特殊学級であるということ、子供が自閉症であるということを隠したくなかったから、オープンに言っていたのですが、受け止める側には、ずいぶんと抵抗があったようです。
そうですよね。私が逆の立場だったら、やはり、抵抗を示したと思います。
それでも、中学になってそれなりに落ち着いたルカを見て、やっと周囲も私のやり方を認めてくれたような・・・気がしています。
私の経験から言わせてもらうと、自閉症という名前はかなり広範囲に使われてしまうので、アスペルガーや高機能の場合、用いないほうがいいかな?とも、思います。
むずかしい専門用語を使うと、相手が構えてしまうこともあり得るので、
「ちょっと、コミュニケーションの障害があって・・・・」というように、表現した方がいいかも知れませんね。
それでも、現在は周囲の方々も、障害をもつ人たちに対して、配慮を示してくれるようになったなと感じています。
マスコミの影響もあるのかも知れませんが、障害児の親御さんが早くから障害の知識を持って、ある程度周囲にものを言えるようになったというのが、大きな原因だと思っています。
しかし、アスペルガーの場合には、ルカのような学習に遅れのあるタイプは、比較的発見も早く、周囲の理解も得られやすい思うのですが、学習に遅れがなく、小さい頃から集団行動もなんとなくやってこれている方だと、ほんとに難しいんだろうなあと思います。
実は、妹(小5)のクラスで、いじめられている子がおり、妹からその子の話を聞いたり、授業参観でみたりしていると、どうも性格だけの問題ではないような・・・・
専門家に相談された方が・・・・なんて、私は勝手に思うわけです。
でも、その子は成績は普通よりむしろ上の方らしく、多分ご両親はそんな気はないのでしょう。
きっと、クラスの先生も・・・・・
でも、彼はきっと苦しんでいるのでは? そう思うと、そういう人たちを助ける手だてはないものだろうかと・・・・・考えてしまいます。
専門家と言っても、アスペルガーかどうか、診断できる先生に会えるのは、かなり困難なのが実状です。
問題は山積ですよね・・・・・。