お金に対する意識の持たせ方って、難しいなって思いますね。
あんまり早くから、お金の意識を持たせても、なんだか「世の中は金次第」みたいな感じで、イヤだなーと思うし、だからと言って無頓着過ぎるのも、将来の自立ということを考えるとよろしくないかな?等と考えます。
できれば、お金を貯めて好きなものが買える喜びとか、限られた予算で過ごす工夫とか、お小遣いを与えることによって、お金を使う喜びや適切な金銭感覚が身に付くと良いですね。
ルカの場合は、小学校の低学年の頃はまだお金に対して無頓着だったので、お小遣いは確か・・・5、6年あたりからだったと思います。
始めは500円でした。
マンガをかったり、ガチャポンの収集を始めた頃だったと思います。
正月や夏の帰省時に祖父母や親戚にお小遣いをもらうので、それで充分ことたりていたと思います。
まだまだ、お金の価値がわからなかった頃は、祖父母からのお金は親が貯金という形をとっていましたが・・・ある日、ルカに「この間預けたお金が欲しい」と言われ
「貯金したからすぐにはおろせない」と私がいうと、ルカは激怒。
いつでも使えるようにしておいて欲しいと言われました。
あれは確か・・・ガチャポンにはまって100コ以上収集していたときのことだったかなー? 小学校5年の頃です。
それからは、高額のお金はルカ専用の封筒を作り、私が預かっておいて必要な時にはいつでもルカに渡すという形にしてします。
この方法になってからは、使うことよりむしろ、貯めるということに関心をもち始めました。
封筒に入っているお金がだんだん減っていくという状況・・・・現金ってわかりやすいですね・・・は、ルカには耐え難く、極力お金を使わない時期がありました。
ちなみにミミは全くの逆で、もらったお金はきれいさっぱり使うので、ルカとミミ、いつも同じ額をもらっているはずなのに、なんとタンス貯金額2人の差額は5万円以上に広がっています。
なのでミミにはお金使いすぎ!と言う必要があるのですが、ルカにはそういうことはほとんど言ったことがありません。
でも、そんなルカも中2から始めた電車の旅にはお金がかかり、現在ルカの貯金も目減りしています。
電車の旅の誘惑には勝てず、貯金が減ることを気にしながら続けているといったところでしょうか・・・。
それでもお小遣いの値上げ(現在は1ヶ月2000円です)とか、おばあちゃんにお小遣いをせがむといったことはありません。(でも、おばあちゃんはいつもたくさんお小遣いをくれますが・・)
彼は、周囲のヒトがなぜ自分のためにお金をくれるのかがわからない。自分だったら自分が働いてためたお金をヒトにあげるなんて想像もつかないことなのに・・・と思っているのかも知れません。
「うれしいけど、どうしてこんなにやさしいんだろう?」ととまどっています。
かわいい孫のためならいくらお金をあげても・・・なんていう気持ちは、彼の理解を超えています。(まっ、私もまだわからない世代です・・・)
電車の旅の時は、なんとか安くすませたいので、障害者手帳も積極的に使うようになりました。写真の現像をする時のサービス券にも興味を持つようになりました。
電車の旅の際の所持金は、電車賃プラス1000円(昼食代・予備)というのが目安です。昼食もマックで単品しか頼まないとか節約しているようです。
お金に関してはルカの律儀さというのがよく出ていると思います。
学校で遠足時のお小遣い等も、基本的には自分のお金でなんとかしたいようです。
自分のものは自分のお金で・・・という考えがルカにはあり、そうすることが大人への第一歩と思っているのかもしれません。
高等養護に入った時、子供の就労意欲を高めるにはどうしたら良いかということについて、先生が話してくださったことがあります。
それは、自分の稼いだお金で欲しいものが買えるという実感を持たせることだと言っていました。
ところが、今の子供達はもうすでに欲しいものはなんでも持っているので、意欲を持たせることが難しいともおっしゃっていました。
ルカの場合は、その意欲のもととなるのは、電車の旅の資金を稼ぐことだろうなと思います。
現在はお金や時間の関係で、行きたい場所が限られていますが、めでたく就労して自由にできるようになったら、もっと遠くのいろんなところに行きたいなーと言うのがルカの願いです。
そしてそれは、自分のお金でいくからこそ価値があることのようです。
ルカは、電車の旅にいく所持金を例の封筒から引き出すたびに「あーっ、また減ってしまった・・・」と少々焦っています。
早く就職して、減っていく貯金に歯止めをかけなければと思っているに違いありません。