<ルカママより>

本題に入る前に"個別支援学級"って聞き慣れない言葉ですね。
これは全国的にこうなったのかわかりませんが、ルカの市では今まで特殊学級と呼んでいたものを、今年度からこう呼ぶようになったそうです。
・・・名前だけかえてもねえ〜。
それと今年度から個別指導計画というのを一人一人の子供に対してもうけ、文書を作成するということです。それには親の意見も聞き反映するように努力するみたいです。
これも・・・やってる先生は文書に残さなくてもやっていると思います。しかし、指導は今ひとつでも、やたら文書にすると立派なことを書く先生もいるし・・・どうなんでしょ?
いろいろひねくれたことを言ってみたくはなりますが、一つの流れとして、親の意見をもっと聞いて、それぞれ個別に考えるように努力しようという気持ちはくみ取れるような気もします。
ということは、親もそれなりに意見が言えなくてはならないんですよね。
それも私が思うに、子供の教育に反映されるような妥当な意見を言わなくてはならないのではないかと思います。

さて本題です。個別支援学級に入っていると、親御さんは「交流はどうしますか」と多分聞かれます。 その時どう答えるか、悩むところです。
「なるべく多くお願いします」と答えたいところです。
でも、交流の目的ってなんでしょ。
アスペの子の場合は、勉強ができる子が多いから、個別支援学級ではできない勉強をやらせたい、というのがほとんどかな。
知的に遅れがある子の場合は、あまりお勉強に関係ない体育とか音楽になりがちですが、アスペの子の場合はむしろ、算数とか社会とか、知識の習得に役立つような教科が適応しやすいように思われます。
しかし、子供の状態だけで考えれば、交流の教科もすんなり決まるのですが、学校にはそれぞれお家の事情があるようで・・・そういうことを考慮しなくてはならないのが、交流の難しいところです。
特に小学校は担任の先生の気分で時間割が変わります。それが個別の先生に伝わってなくて、交流に行ってみたらちがう授業をやっていた、またはクラスが移動して教室がもぬけのカラだった・・・なんてこと、はっきり言って日常茶飯事なのです。
特別に支援を受けなければならない子供なのに、普通級にいる子以上に臨機応変に対処しなければならないなんて・・・。
もっと個別と交流の担任が打ち合わせをして欲しい・・・交流級の先生ってなんで個別の子のことを思い出してくれないのよ〜、と交流にまつわる不満は尽きるところがありません。
ルカの場合も高学年になって交流がぐっと増えました。それは状態が落ち着いてきたからという理由と、もう一つは個別級の人数が増えてしまって十分な指導がうけられず、その分交流へ・・・残念なことに個別支援学級といいながら、この理由がとっても多かったりします。
・・・名前だけかえてもねえ〜。
学校の先生って個別支援学級に在籍する子をいったいどのように考えているんでしょうか。
一昔前なら、字が読める、会話ができる・・だから障害児ではない、という考えがまかり通っていました。
今もその考えをひきずっているとアスペの子は気の毒です。一人一人違います。交流もその観点で考えて欲しいものです。

ところで、知的にさほど遅れがなくて個別に入ったお母さんって、どんな気持ちなんだろう? 個別に教えてもらえば、勉強はできるのに、せっかく個別級に入ったのに勉強を教えてもらえない・・・と歯ぎしりしている人が多いことと思います。
私もそうでした。
でも、今考えるとそんなにあせる必要はなかったかもしれないと反省しています。
なぜなら、勉強の好きな子はどういう状況でも時期がくると勉強します。勉強はいつだってできるのです。
ずっと交流してないために、普通級の子と差がひらいてしまうなんて心配はあまりしない方がいいと思います。アスペの子は興味のあることはどんどん吸収してくれます。

それと、アスペの子はちいさい頃はあまり障害児には見えないし、お友達とも遊べたりするんですよね。
小学校低学年と高学年では、友達とのつきあい方も変わってきます。
なんとなーく一緒にいたら楽しかった! みたいな無邪気なつきあい方ができる低学年の頃に、普通級の子供達と一緒になって遊ぶ経験も必要かな?
その中で、コミュニケーションや社会性を自然と学べることもあると思います。
でも、高学年になってくると友達に対して求めるものが違ってきます。
無邪気にわいわい・・・という具合にいかなくなって来たとき、もう一度どんな交流がいいのか見直す時期が来ると思います。

さてルカの場合は、低学年のうちは、音楽や体育といったお勉強に関係のない交流をしてました。
これは、運動会や音楽発表会といったような行事のときにスムーズに交流に入って行けたらいいなあという思いからです。
それから、朝の会とか給食とか、どちらかというと勉強のための交流ではなくて、社会性を身につけるための交流だったと思います・・・・でも・・・低学年の頃は学校とあまりうまく行ってない時でしたので、参考にならないかな?
高学年の頃からは社会科に興味をもったので社会の交流をはじめ、中学校でも社会だけは交流を続けました。
社会をやったおかけで、勉強がおもしろいと感じたろうし、本人の自信にもなったと思っています。
アスペの子は、大きくなるにつれて自分と他人の違いがわかってきます。
そうするとどうしても自分の評価が下がってしまいがちです。そのとき、「でもこれはできるよ」という何かがあると精神的に随分楽になれるようです。
交流もそういうことをふまえて選んで欲しいです。
教科だけでなくても、運動会やいろんな行事等でも、一生懸命やった、そして成功した・・・そういう良い経験を積むための交流であって欲しいです。
交流をたくさんやったからと言って、社会性がのびるかと思えばそうでもないです。交流に行ってどんなことを伸ばしたいのか・・意味のある交流にしたいものですね。

今まで見過ごされてきた軽度の障害が、最近では早期に診断ができるようになってきたので、これからはいろんなタイプの子供が個別支援学級に入ってくると思われます。
今までの特殊教育にこだわることなく、一人一人にあった教育というものを、是非考えていきたいものです。


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