ルカの事件簿

◆運命の分かれ道?◆
ルカ3才の頃。
一時、バス停通いにあけくれていたことがありました。
うちのマンションを出て、右に行くと公園、左に行くとバス停なのですが、私としてはよその子と同じように公園に行きたいわけです。
しかし、右に曲がろうとするとルカは地面に寝転がって泣きわめく始末。
結局、渋々バス停へ。
バス停でバスを眺め、通り過ぎるとき「バイバイ」と手を振る、というのがルカのおきまりごとなのですが、バス停のベンチに座っていると、バスに乗る人と間違われ、いちいちバスが止まってしまうのです。
バスが近づくたびに、バスの運転手さんに向かって「乗りませーん」と手で合図をしないといけない。
私はそれがいやでいやでたまりませんでした。
とある日も、バスが近づいたので私は「乗りませーん」と必死に合図したのですが、運転手のおじさんはにこにこしながらバスを止めるではないか・・・
乗らないのに・・・と思ったら、バスを降りる人がいたのでありました。恥ずかしい〜。
今日こそは公園へ・・・と、右を曲がろうとする私、そして左に行きたがるルカ。
あの分かれ道が近づくたびにどきどきしたものです。

◆「風雲たけし城」を覚えていますか?◆
ルカ2才の頃。
TBSでやっている「筋肉番付」で使われているスタジオで、昔、「風雲たけし城」という番組をやっていたのですが、ルカはその番組が大好きでした。
タレントが障害物競走?のような競技に出場して、賞金を稼ごうという番組だったような・・・
その競技の中に、ふすまぐらいの大きさのパネルを何枚も、体当たりで突きやぶって進むものがあったのですが、ルカはこれにハマってしまったのです。
そのテレビを見てから、我が家の押入れのふすまに突進する日々が続きました。
体当たりしても、ふすまが倒れることはありませんでしたが、かなりの衝撃音。
このままではふすまが破れるのは時間の問題。それにうちはマンションなので、ぶつかったときの振動音が、ご近所にも聞こえているはず。このままではいけない!!
新築マンションに引っ越したばかりなのに、早々にふすまをはずし、カーテンに変える羽目になりました。
さすがに、体当たりはやらなくなりましたが、我が家では、今でも押入れの戸はカーテンのままです。

◆あなたは誰?◆
ルカ2才の頃。
まだルカが何者か判明していなかったこの頃、近所の子と一緒に親子スイミングスクールに通っていました。 (その後、妊娠してすぐやめたけど)
初日、プールサイドにみんなで集まり、先生にご挨拶。
と思ったのに、ルカが私の顔を見たとたん、火がついたように泣き出しました。
そして、私が追えば追うほどに、必死に逃げるのです。
「なんで?」と、私もパニック状態でしたが、もしや・・・と思い、それまで私がかぶっていた水泳帽をとってみました。
するとルカは、ぴたりと泣きやみました。
どうやら、私が水泳帽をかぶったことによって、誰だかわからなくなったようで・・・。
母親がいなくても平気な時期を過ぎ、やっとあと追いをするようになった頃でした。
人の顔を認識するのって、やはり苦手です。
現在も、キムタク出演のCMを見て、「これって、中居くんだっけ・・・」と、マジぼけしている彼です。

◆不死身のルカ◆
ルカに対して、これだけは感謝したい、と思うこと。
それは、生まれた時から体が丈夫だったということです。
赤ちゃんの頃は、風邪ぎみであっても、熱が上がることはありませんでした。
5才ぐらいになって、良くしゃべるようになってから、発熱もたまにするようになったので、
「これって知恵熱?」と、家族で冗談半分で言っていたものです。
そんなルカがまだ、はいはいの頃でした。
ルカパパは、若い頃から、"囲碁"という、渋ーい趣味をお持ちの人なんですが、
出窓に携帯用の直径5ミリ程の碁石を置いていたときのこと。
ルカはいつの間にかその出窓によじ登ったらしく、なんと口の中には碁石が一つ、二つ・・・
えっ!まさか、飲み込んでないよね。急いでルカの口から、囲碁を取り出しながら、不安になる私。
このことを、ルカパパに話したら、大騒ぎになるに違いない・・・と思った私は、この日のことを一人胸の中にしまっておきました。
そして・・・翌日、ルカのウンチを変えようと、おむつを開くと、ウンチの中に碁石が一つ、二つ。
飲み込んでいたのね・・・冷や汗がたら〜り。
やっぱり、ルカパパには内緒にしておこう・・・私の監督不行届を攻められるのもいやだし。
ルカパパがそのことを知ったのは、それから何日もたってのことでした。
「まっ、元気なんだからいいじゃない」と、ルカパパを丸め込む私でした。
それにしても、よくご無事で・・・
小さい子はなんでも、口にするとはいいますが、ルカは半端じゃなかったような気がするなあ。

◆九死に一生スペシャル◆
ルカ3歳の頃・・・だったと思います。とある公園に行った時のこと。
そこには広い池がありました。「わーアヒルさんが泳いでる」なんてのんびりしたことをいってると、 突然ルカが池に向かって走り出しました。
池にじゃぶじゃぶ入り、深くなってもなんのその。
ルカパパがあわてておいかけ、膝まで水につかって、ようやくルカをゲット!!
公園を散歩していた人たちもこの光景には、口をアングリ。
ルカは着替えを持っていたものの、ルカパパは、ズボンから滴をたらしたまま、帰路につきました。泣き(;;)

◆台所をワックスがけ?◆
2才の頃、ミミをお昼寝させようと、ルカをほっといてミミと添い寝をしていた私。妙にルカがおとなしい・・・。まあ、こんな日もあるさと、私もついウトウト。
ミミが寝付いて、ルカを探しに行くと・・・なんと、台所の床がツルツル。そしてツルツルをたどっていくと、冷蔵庫のドアが開いている。そこには、マーガリンの箱を開け、一心不乱に床に塗りたくっているルカが・・・。普段うるさい子が静かになったら、ご用心!!

◆2才にして家出?◆
ルカが2才の時に妹のミミが生まれ、買い物にも行けなくなってしまい、生協の共同購入を利用することになりました。
一週間に一回食料が届き、近所の方と品物の仕分けをしなければならないのですが、その間中もルカはじっとしていられない。
それどころが、お隣さんが購入した豚ロース薄切りパックを踏んづけたり、かなりヒンシュクをかっていました。
 その日もルカを叱りながら仕分けしていると、ルカがトコトコどこかへ行ってしまいました。近くの下水の水をいじりに行ったんだろうと、私はかってに自分にそう言い聞かせ、仕分けを続け、しばらくしてルカを探しに行くと・・・
いない!! どこにもいないのです。
そのころ私は、ルカを追いかけることにとても疲れていました。片時も目をはなせなかったので・・・。
試しに目をはなしてみたらと、悪魔のささやきがどこからか聞こえてきてしまい、後を追いかけなかったらこの始末。
どうしよう。短時間にいろんなことが頭に浮かんで、いちばん先に思ったのが、主人になんと申し開きをしたらいいんだろう、ということでした。そのとき初めて、自分だけの子供ではないことを感じました。
近所の人やマンションの管理人さんにも声をかけて、大捜索がはじまりました。
それでもいない。そのとき私は、つい一週間前に自宅から1キロほど離れた公園に行ったのを思い出し、そちらの方向へ向かいました。
その公園に行くには大通りを2回横切らなければいけないのです。ルカがまさかここをわたって行くなんて・・と信じられなかったのですが・・・
いたのです。
公園に行く途中の空き地で、どこかのおじさんと手をつないでいました。
「あー、お母さんきたよ」そういってそのおじさんはさっさといなくなってしまいました。(もっときちんとお礼をするべきだったと後悔しています)
ルカはこのときはさすがにベソをかいていました。
だからといって、それに懲りてルカの放浪癖がなおったわけではありません。

◆究極のフラッシュバック◆
ルカが2才の時、とある銀行前の道路でいきなり転んでしまいました。ぎゃーぎゃー泣くルカ・・・とここまではよくある話。しかし、何日か経って再び銀行前を通ると、突然道路にひっくりかえってパニックに陥ってしまいました。しばらくその場所へは行けなくなりました。今でも銀行前を通ると思い出す私です。



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