2005-06-18
効率の良い宇宙空間における宇宙船の推進力として、太陽光を使った宇宙帆掛け舟の考えが公表されてから、長い年月がたったが、このSF的発想が、高分子化学の発展により、耐久性の強い新素材が開発され、現実的な課題として浮かびあがり、各国が実用化開発に着手している。
開発の歴史;
宇宙で太陽光を利用し、ソーラー・セイルで、そのエネルギーを受け、効率の良い宇宙船の推進力を得ようと言う構想は、1919年にロシアのフリードリッヒ・ツァッダ等により提案されていたが、当時は必要な推進力を得る為の、軽量で厳しい宇宙環境に耐える薄膜の技術が確立されておらず、実現には至らなかった。
1970年代にNASAが、開発に取り組んだが、中止された。近年になり、高分子科学の新素材が開発され、又これらの素材を製造する技術が格段に進み、実用化の可能性が高まり、各国宇宙開発機関では、その実用化に向け取り組みが始まっている。
米国NASAでは、反射式ソーラー・セールを使った宇宙空間を航行する開発に数千万ドルを投じている。又、米国の非営利の宇宙関連団体『惑星協会』がこの課題に取り組み2001年にバレンツ海の水面下のロシアの原子力潜水艦から打ち上げたが、ロケットからの切り離しに失敗している。
又、日本のJAXAに於も、昨年(2004年)、鹿児島県内之浦のロケット発射場から、S-31ロケットで、2種類のソーラーセール(太陽帆船)の打ち上げた。
発射100秒後に高度122キロでクローバー型ソーラーセールが、発射230秒後に高度169キロで扇子型ソーラーセールが展開し、ロケットに搭載されたカメラや測定機器によりデータを取得し地上に伝送した。
初めてソーラー・セール宇宙船の打上へ
米国『惑星協会』は、ソーラー・セール宇宙船「COSMO1」号を、来る6月21日に、ロシアのロケットにより、再度打上に挑戦する。
COSMO1号には三角形の高さ15mのソーラー・セールが搭載されている。ソーラー・セールは、強度・耐熱性に優れたポリエステルフィルムで創られている。 COSMO2は、高度800Kmの地球周回軌道に入ったところでセールを広げ、その後は、太陽から放出された光子がセールに反射し、宇宙船の航行にわずかな推進力を与える。初めは僅かの加速であるが、徐々にスピードが上がり、燃料なしで3年目には時速16万Kmに達する計算である。