作成 99/02/03  T.Abe

 子供の頃、火星には運河らしきものがあると言うことで、緑の小人や、蛸のような火星人が住んでいるとの話を聞かされて来た。その地球と良く似た星、火星のベールを脱がされる時がやって来つつある。NASAの火星探査計画が本格化しようとしている。

 昨98年8月6日に、米国NASAが「火星の生命(Life 0n Mars)」のタイトルで、NASA ジョンソンスペースセンター並びにスタンフォード大学の科学者が1万3千年前に地上に落下した火星の隕石の中から、30億年前の原始微小生命体の存在の可能性を示す痕跡を発見した」と発表し、センセーションを巻き起こしました。

  NASAは、昨98年12月、今年99年1月とたて続けに「マーズ・クライメイト・サーベイヤー」、「マーズ・ポーラーランダー」を打ち上げ、火星の水の存在、生命の存在の解明しようとしており、今年99年は火星探査の大きな節目の年になりそうである。

 NASAでは、既に2010年に、人類初めての惑星上陸となる、有人火星探査機を送りこもうと言う計画が真剣に検討されている。

火星探査の経過

 火星探査は、1964年に米国NASAが始めて探査機マリーナ4号を送り込み始まった。その後ソ連のマルス3号、米国のバイキング等が送りこまれたが、1975年のバイキング2号のあと米・ソの財政の悪化で中断されていた。

 97年11月に米国NASA/JPLが「マーズ・パスファインダー」を火星に軟着陸させ、毎日火星の表面の映像が送れてきて、テレビでも放映され一般の人の火星への関心が急速に高まった。本年は日本が7月「Planet-B:のぞみ」を、米国は12月に「マーズ・クライメイト・サーベイヤー」、本年1月には「マーズ・ポーラーランダー」を立て続けに打ち上げ、火星の水の存在、生命の存在を解明する計画が一挙の進むことになりそうである。


NASA有人火星探査構想

 NASAのでは、2004年に完成予定の国際宇宙ステーションを中継基地として、2010年に火星に人類を送り込む計画の検討が始まっている。その1案は、2隻の宇宙船を組立て、それぞれ8名、2名の宇宙飛行士が乗り組み、9ヶ月の宇宙の旅後、火星に到着、着陸機を分離し軟着陸して、火星探索車に乗って探索しようと言うものである。
 数十億年前には、火星には大洪水が起きるほどの水があったとの解析データもあり、火星の水が発見されれば、人類の将来の居住圏としても大きな候補地なるであろう。

火星居住実験の開始

米国「火星協会」は、NASAの協力を得て、有人火星探査のための居住区生活実験を、2000年夏より、カナダで実施することを検討している。実験は、カナダのデポン・アイドにある、2300年前の隕石の衝突で出来たクレーターの中の火星環境に似た地点に、隔離した居住棟を造り、水のリサイクル等、外部の支援無しに生活する訓練が行われる。

探査計画

年月 衛星名 目的
64.1 マリーナ4号 米国 火星付近を通過、写真撮影
71.5 マルス3号 ソ連 火星に軟着陸
. マリーナ5号 米国 周回軌道から写真撮影
71.8 バイキング1,2号 米国 着陸機、大気観測
96.11 マーズ・グローバルサーベイヤー 米国 地磁気観測
96.12 マーズ・パスファインダー 米国 着陸、小型地上車ロバーによる観測
98.7 のぞみ 日本 大気の観測等
98.12 マーズ・クライメイト・オービター 米国 気象観測
99.1 マーズ・ポーラー・ランダー 米国 南極付近の土壌調査
01.1 マルス2001 ロシア 地表面、大気観測
01.3 マーズ・サーベイヤー 米国 着陸機
01.5 マーズ・トギャザー ロシヤ 水分測定
03.2 マーズ・エクスプレス 欧州 石、土壌の回収
03.5 マーズ・サーベイヤー 米国 周回機、着陸機
03.10 キティホーク 米国 高空から渓谷等を観測
05.7 マーズ・サーベイヤー 米国 火星の岩石等を持ちかえる
10.XX 有人火星探査機 米国・各国 国際宇宙ステーションから打ち上げ